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私の在り方

* * *


3月11日。

たまたまテレビをつけていて、リアルタイムで津波が街々を飲み込んでいくのを見た。

ヤバイよ・・・早く逃げて!!って言葉は出るけど、その波の中に人々がいることなど、想像することができなかった。

みんなちゃんと避難して無事なのだと、そう思うように思考回路が働いていたのだと思う。

それから数日間は、気持ちがそわそわ落ち着かず、ひたすらニュースを見続けた。

何度も流れる津波の映像、原発のこと。

明らかになっていく被害の実態、避難所のこと。

たまらない思いになった。

特に小さな子供たちが犠牲になったニュースには、心が痛んだ。


数週間経って、津波の映像がニュースで流れることは少なくなった。

だけど、私はネットで津波の映像を見るようになった。

あの恐ろしい映像が私の中でうまい具合に処理出来ずにいたからだ。

あれは一体何だったのか、理解しきれずにいた。

また津波の映像を見れば、漠然とした不安感を整理整頓できるのではないかと考えた。


ある日、津波の映像を見ていると、子供が私に尋ねた。


「また地震なの?」

「ううん、この前の地震の津波の時のだよ。」

「今日も人が死んだの?」

「どうかな」

「地震終わったらいいのに、津波終わったらいいのに。ママ、地震嫌い?」

「うん、地震も津波も嫌い。車も家も人も犬も猫も流されちゃったんだよ。自分の住んでた町がなくなっちゃうんだよ。怖いよ。」


子供が私の顔を覗き込んだ。

私が泣いていないか見たのだろう。

子供が私をぎゅーっと抱きしめた。

こんな小さな子供なのに、なんて強い力なんだろう。

どんな思いで私を抱きしめてくれているのだろう。

この子を失ったら、私は生きていけない。

いいや、生きていくけれど、心は死んでしまうだろう。

「ママより先に死んだら駄目だよ。ママもあんたが大きくなるまで絶対元気でいるから、ママより先に死んだら駄目だからね」

抱きしめ返した。

子供が私にキスをした。


震災は恐ろしく、被災地から遠く離れた人間の心をも、いまだに脅かしている。

不安だ。不安なのは、守るべき日常があるからだ。

この幸福を守るために、やるべきことはたくさんある。

私は強くあらねばならない。


* * *





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