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轟音と熱の中に
一面の菜の花を見た
空を仰いで
まぶしさに目を閉じた
もう何も聞こえない
崩れ落ちた衝撃に
土ぼこりの淡い光を感じ
重い重いまぶたを開く
友と過ごした日々
明り取りの窓から差し込んだ
月の光とよく似た色だと思った
言葉はもう何もなく
是非を問う己もなく
いつかの月ばかりが
ひたすらに思い出された
ああ
この体を照らすものがあるならば
太陽よりも月がいい
春の宵闇を彩る
ぼんやりとした月の光がいい
あのころ
命のおもみなんて
何一つ知らずに
生死を知ったつもりで
笑ったり泣いたりしてた
今、ほんの少しは
命の何たるかをかじって
そのおもさに、やっぱり僕は
笑ったり泣いたりしてるね
今日は彼が死んだ日だから
僕は空を見上げて
そこに、飛ぶ鳥を見つけたい
緑のまぶしさに
遠い北国に訪れただろう春を思って
目を閉じたい
今日は彼が全てをかけた日だから
今日は彼が
走り続けて、走り終えた日だから
今日は彼が
今日は彼が死んだ日だから
空の高い場所
一羽の鳥
君は見上げ、目を細めた
今日、萌葱の中に散りゆく魂は
時を超え、地を超え、風を超え
再び花の中に舞い降りる
その背中
その後姿に生かされた人が
どれほどいるでしょう
雪を降らせてください
心に
何も見えなくなるほどに
Author:幸
言葉のリハビリ中